ダイニングテーブルの選び方に悩んではいないでしょうか。
サイズ的にも価格的にも大きな買い物なので、絶対に失敗したくないですよね。
ダイニングテーブルを選ぶ際は
- サイズ(天板の形状や高さ)
- 素材(色やデザイン性)
- チェア(使い勝手)
の3点を意識しよう。
ぼく自身も実際に熟考して10万円以上のダイニングセットを買っているので、その経験もふまえて紹介しようと思います。
1.サイズは最も大事なポイント
ダイニングテーブルの大きさは
- 家族の人数・使う人の人数
- スペースの広さ
の2つの視点で決めるのが鉄則。
理由は人間工学において「一人が食事をするベストなサイズ感」や「人が移動する際に必要なスペース」がおおよそ決まっているからです。
【食事の基準サイズと一般的なテーブルサイズ】
一人が食事をするのにちょうどいいサイズ感は
です。
それに使う人数を掛け算するのが、ダイニングテーブルの大きさの基本になります。
↑2人なら、幅60cm・奥行80cmが必要。このサイズ感が基準になります。
※説明のための例で、この寸法のテーブルはほぼないと思います。
↑4人なら幅が120cm・奥行きは80cm
↑6人なら幅が180cm・奥行きは80cm
と、こんな感じで大きくなっていきます。
基準の大きさは最低限の必要サイズ
「幅60cm×奥行40cm」が基準ではありますが、この寸法は最低ラインと考えて問題ありません。
これ以上小さいと、けっこう窮屈な食卓になってしまいます。
全ての家庭で、人間工学目線でダイニングテーブルを置けるわけではないので、商品としてはいろいろなサイズがあります。
商品として販売されているダイニングテーブルの寸法目線だと、次の表のような大きさになります。
【標準的なダイニングテーブルの大きさと家族の人数】
テーブルサイズ | 使用するの人数 | サイズ感 |
210×80cm | 5~6人家族向け | ゆったり6人 |
180×80cm | 5~6人家族向け | ピッタリ6人 |
150×80cm | 3~4人家族向け | ゆったり4人 |
120×80cm | 3~4人家族向け | ピッタリ4人 |
80×80cm | 夫婦・同棲二人向け | ゆったり2人 |
75×75cm | 夫婦・同棲二人向け | ピッタリ2人 |
68×68cm | 一人暮らし向け | ゆったり1人 |
60×60cm | 一人暮らし向け | ピッタリ1人 |
奥行きは広すぎると手が届きにくくなります。
広く使うことはできますが、必ずしも使いやすいとは言えなくなるので要注意。
また、来客のことも考えると、家族の人数だけで判断せず総合的に決めることが大事になります。
【チェアを動かす範囲も考慮しよう】
テーブルは固定ですが、チェアは頻繁に動かしますよね。
つまり、実際には
の合計で大きさを考えることがポイントです。
チェアの大きさと可動範囲の寸法
チェアの可動範囲を確保できれば、確実に座って食事をとることができるので、チェアをどの程度動かすのかを考えれば十分です。
一般的には、テーブルの端から75cmくらいのスペースがあると、チェアに座ったり立ち上がったりが楽にできます。
また、ダイニングテーブル周辺の行動スペースは、次の画像のようなイメージです。
【A】テーブルとキッチンの間
配膳するときは食事を持っての移動なので、65cmくらいのスペースが必要。
【B】後方を人が通るスペース
食事中の人の後ろを通るには、テーブルから100cmくらいないといけません。
【C】チェアに座って食事をする寸法
一般的には40~50cmくらいが必要になります。
【D】低めの家具同士の隙間
低めの家具同士の間を移動するには、50cm程度ないと窮屈。
壁や高さのある家具の場合は、プラス10cmくらいないと通りにくくなります。
【E】チェアを引くスペース
テーブルから後方に75cmくらいないと、チェアを引いて立ち座りするのが窮屈になります。
あえて小さめを選ぶことも大事
上で紹介した寸法は、人間の平均的な動きを数字で表したもの。
この程度だと使いやすいのは間違いありませんが、みんなが人間工学にのっとって家具を配置できるわけではありません。
ダイニングテーブルとしての使いやすさを重視するか、周囲の動きやすさを重視するかを考えることも大事になります。
例えば3~4人家族だと
- 150×80cm
- 135×80cm
- 120×80cm
というサイズのテーブルが向いています。
奥行きは変わらないので、横のサイズを一人当たり75cmにするか、60cmにするか、中間をとって67.5cmにするかといったイメージになります。
つまりチェアを置く方向のサイズ感は、テーブルが小さくなっても変わらないというわけ。
この3つの画像は、テーブルのサイズを3種類にした場合の比較。
チェアを引くスペースや後方を通るスペースは、テーブルサイズに関係なく同じだということが分かりますよね。
例のような配置の場合は、ソファとの距離が変わるだけにすぎないというわけです。
家族の人数に加え、このスペースを確保できる広さがあるのかなども考慮すると、大きすぎ・小さすぎという失敗も減りますね。
チェアをベンチに変えると奥行を節約できる
ベンチは背もたれがなく、奥行を減らすことのできるアイテム。
もちろんベンチに座って食事がしにくいと感じる人にはおすすめしませんが、子供なんかはけっこうベンチを苦にせず喜んでくれます。
テーブルとベンチの高さの差を考えると、小学3~4年生くらいの身長は必要かもしれないので、その辺は要注意。
例のように壁に付けるレイアウトだと、壁が背もたれになってくれるというのもポイント。
奥行きがなかなか取れないという場合は、ベンチスタイルも視野に入れると解決するかもしれませんよ。
ちなみに両方ベンチは非推奨。
どちらかは背もたれのある椅子にしないと、模様替えや体調の変化(腰痛など)に対応できなくなります。
省スペース性ばかりに気を取られても使いにくくなるので、やっぱり総合的な視点が必要になります。
【天板の形からサイズを考える】
ここまでは「長方形の天板」を想定してきましたが、ダイニングテーブルには丸いタイプや伸長するタイプもありますよね。
四角形のサイズ感はすでに紹介したので、円形と伸長式におけるサイズ感を紹介します。
円・楕円形の丸い天板
円形テーブルのサイズは
- 2人~3人用:直径80~100cm前後
- 3人~4人用:直径100~120cmcm前後
といった感じ。
ダイニングテーブルの場合はチェアを使うため、6人以上で円形だとスペースをかなり使ってしまいます。
広いダイニングを確保できる場合以外は、あまり大きな円形は非推奨です。
円・楕円形のメリット・デメリット
円形のメリットは、人数の増減に対応しやすい点があります。
多少きつくなっても、一人二人増やすことが四角形よりしやすいですよね。
また、見た目の印象がスタイリッシュなのも大きな魅力です。
デメリットは、あまり省スペースではない点。
四角形の天板よりもデッドスペースができやすく、無駄な空間が生まれてしまいます。
伸縮タイプ
伸縮タイプは、来客の多い家庭やスペースの狭いダイニングに向いた機能。
よくホットプレートを使う家庭や、鍋好き家族にもピッタリですね。
- 普段は広げておき、お部屋を広くしたい時に小さくする
- 普段はコンパクトにし、いざというときに広く使う
という2通りの使い方ができます。
1の場合は、広げた状態で家族みんなが食事できるサイズを確保しなければいけません。
2の場合は、広げなくても家族で食事できるサイズにする必要があります。
これらを考慮して、どの程度広がるといいのかをイメージしましょう。
「30cm・50cm・80cm・100cm」くらい広がるタイプが多いですよ。
【脚の形から使い勝手を考える】
テーブルの脚の形は、次の3つがメイン。
4本脚
最も一般的で安定感抜群なのが4本脚。
視覚的にも違和感なく馴染んでくれます。
2本脚
上が「コの字の脚」、下が「T字の脚」があるタイプです。
コの字はデザイン性がおしゃれで、人とは違うデザインを目指す人に最適。
T字は足元が広くなりやすいため、立ち座りがしやすいメリットがありますよ。
1本脚
昇降テーブルなどに多いタイプです。
ソファダイニングのように、食事とリラックス両方をこなすテーブルの場合は、高さを変えられるリフティングテーブルがピッタリ。
足元が大きく空くので、見た目にもスッキリします。
【高さの決め方】
ダイニングテーブルの高さは、使い勝手に大きく影響する大事なポイント。
多くは70cm前後になっていて、ほとんどの人にとって最適な高さになります。
海外製だと75cmを超えるタイプもあり、日本人の平均身長を考えるとやや高すぎになるので要注意。
靴のまま家に上がる習慣がないため、その辺の違いですね。
低いタイプ:65cm以下
ソファダイニングは、食事とリラックスを兼ねているので、ロータイプが多いです。
また、子供や高齢者に合わせて低く設計されたタイプも。
チェアも合わせて低くしないと使いにくいので、身長の高い人には当然使いにくくなります。
視界が広がるため、開放的な雰囲気になるメリットがあります。
一般的なタイプ:68cm~72cmくらい
商品数が多いため、好きなタイプを選べるメリットが一番。
子どもは椅子の高さで調整できるので、多くの家庭に取り入れやすい高さです。
高齢者にとっても特別高すぎるわけではないので、悩んだら一般的な高さにするのが失敗も減りおすすめですよ。
高いタイプ:75cm以上
食事以外に、作業用の台などに使う場合には、少し高めのほうが使いやすい場合もあります。
食事は椅子に座ることが前提ですが、立ったままで何かすることが想定される場合ですね。
ただ、座って使うことも考慮する必要があるので、椅子も合わせて高めにする必要があります。
スライド式だと二段階になる
高さを気にする理由は、多くの場合「家族の身長差」ではないでしょうか。
親に合わせると普通の高さがちょうどよく、子供や高齢者に合わせると低めがちょうどいいですよね。
そういう時はスライド伸縮タイプにすると解決。
5cmくらい低い天板が引くだけで手軽に出てくるので、お子様やおじいちゃん・おばあちゃん用にすると、とても使いやすくなりますよ。
2.ダイニングテーブルの素材
ダイニングテーブルの材質・素材は様々なものがあります。
どのようなものがいいのでしょうか。
【基本は木製】
材質は基本的に「木製」がおすすめ。
ガラスは食器がぶつかる音が気になります。
子供のいない若いカップルやオシャレ最優先の人はいいかもしれませんが、もしファミリーで使うなら「木」が基本になります。
ひと口に「木」と言ってもその種類は様々。
- パイン~白っぽくて明るく柔らかめ。節が多く素朴な雰囲気
- ウォールナット~濃いこげ茶。木目がはっきりし硬い手触り
- チェリー~薄いブラウンで使い込むと味わいが出やすい
- オーク~白または赤味を帯びており硬くて粗い手触り
- アルダー~反りや縮みが少なく赤味がかった茶色
- 杉~木目が強く柔らかい。個性がある
- ホワイトアッシュ~白っぽく細かい木目。弾力性・耐衝撃性が高い
- メープル~白っぽく硬めの手触り。美しい光沢がある
素材の種類に関しては、こちらのページがとても参考になります。
⇒木材の性質および価格帯チャート
価格の比較や色味・木目感なども分かりますよ。
【高価だが無垢は価値が高い】
木をそのまま使うのが「無垢材」。
大きく3種類くらいに分けられます。
※厳密には無垢材は一枚板だけになりますが、ダイニングテーブルの場合、使用感としてはどれも無垢材に近いため3種類を紹介しています。
一枚板
「一枚板」は、文字通り継ぎはぎすらしていない、純粋な「木」。
非常に価値が高く、価格も高価になります。
素材を活かすメリットがある反面、人工物じゃないため、反りや割れといった形状の変化が起こりやすいデメリットがあります。
自然素材なので、反りも割れもデメリットではないと考える人に向いています。
集成材
木そのものを横方向につなぎ合わせたのが「集成材」。
一枚ものではありませんが、木の質感は一枚板に引けを取りません。
強度を高めることができ、反り・割れも大きく軽減させることができます。
生活で使いやすいよう工夫された素材ですね。
突板
もう一つダイニングテーブルに多いのが「突板(つきいた)」というタイプ。
これは、薄くスライスした木のシートを表面に貼ったものです。
無垢材ではありませんが表面は木そのもので、中身は人口の木という感じですね。
とは言え「ニセモノ」という捉え方は違います。
個人的には、貴重な資源を効率よく使えるエコな素材だと考えます。
天板の中身など、普段の生活では大きな問題にはなりませんよね。
無駄なく資源を有効活用できる、素晴らしい構造です。
手入れの大変さ:無垢材 > 集成材 > 突板
価格も上がり、お手入れも大変な無垢材。
一体どんなメリットがあるのでしょうか。
無垢材の良さとは
無垢材の良さを一言で表すなら「歴史を刻むことができる」ということに尽きます。
最も身近に家族が集まるダイニングテーブルは、そのキズ・シミの一つ一つが思い出になります。
それがその家族の色になり、家族だけの歴史を刻んでいくのです。
木は素直なので、ちょっとしたことでその表情をどんどん変化させていきます。
これが無垢材の魅力。
安価なものは年数の経過によって汚れて古くなっていきますが、それが味にはなりません。
無垢材は使うほど歴史が刻まれて味になり、古さが最大の魅力へと変わっていきます。
古くなることを、無垢材では経年変化と言い、安価な素材のテーブルでは経年劣化と言います。
【色は素材で9割決まる】
ダイニングテーブルの色は、素材で大体決まります。
- どっしり高級感のある濃いめがいいならウォールナット
- 明るくナチュラルな雰囲気ならタモやメープル・パイン
素材と色選びは並行していくことが大事です。
基本は好み
毎日のように、しかも長く使うものなので、基本は好みで選んだほうが失敗は少ないと言えます。
色の印象としては
- 白っぽい色~清潔感があり空間が広く感じる
- ナチュラル~優しくて温もりが感じられる
- 濃いブラウン~重厚で重々しく威厳を感じる
といった感じです。
明るめの色はどんなお部屋にも合わせやすい万能色。
濃いめの色は重々しく存在感が高まるので、周囲とのバランスを意識しよう。
床の色に合わせる場合は全く同じにせず、少し色味を変えてあげるのがポイント。
同じだとメリハリがなく違和感が出てしまいます。
床3色 × テーブル3色の配色例
床とテーブルを
- ナチュラル
- ホワイト系
- ダーク系
の3つに分け、それぞれを組み合わせてイメージ画像を作成してみました。
床の色を基準に紹介しますので、テーブルの色選びの参考にしてください。
床:ナチュラル
床:明るいホワイト系
床:濃いめダーク系
3.チェアはセットがおすすめ
ダイニング用の椅子は、セットになっているタイプが最も無難。
デザインはもちろん、高さのバランスなどもしっかり考慮されているため、とくに考える必要もありません。
【椅子を別に用意するときは座面の高さに注意】
とは言え、テーブルと椅子を別々で用意する場面も少なくありません。
- テーブルはこっちがいいけど、椅子はこっちがいい
- テーブルだけ買い替えて、椅子は今までのを使う
- クッション性がなくなってきたから、椅子だけ買い替える
このような時に一番気を付けるべきは、テーブルと椅子の高さのバランス。
アンバランスだと使いにくいので、デザインや機能だけじゃなく、しっかり高さも考慮しよう。
バランスに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
●シーン別のコーディネート一覧
ダイニングテーブルはインテリア性も大事ですよね。
そこで、ダイニングテーブルを買い替えるシーンをいくつか想定し、おすすめのおしゃれなコーディネート写真を紹介します。
新婚さんに人気なのはインテリア性重視タイプ
婚礼家具としてダイニングテーブルを購入するとき、やっぱりおしゃれなタイプが人気です。
でも、先をしっかり見据えて選ぶ必要があることも忘れてはいけません。
例えばこのようなモダンでおしゃれなダイニングセット。
新居に置くと見栄えも良く、素敵な新婚生活になりそうです。
でも、もし子供が産まれたら、テーブルの角がとっても危ないですよね。
今は夫婦二人ですが、子供の誕生や成長によっては別の選択肢のほうがいい場合もありそうです。
どうせ角があるタイプにするなら、次のようなテーブルのほうが現実的でおすすめ。
夫婦二人の時はコンパクトに使い、子供が産まれても小さいうちなら4人まで囲むことができます。
デザインは普通でも、使い勝手はこちらの方が上。
夫婦で数年後を話し合って決めるのがいいですね。
小さな子供がいる家庭は安全性を重視
小さな子供がいる家庭の買い替えが多いのも、ダイニングテーブルの特徴の一つ。
子供が小学校に上がってから引っ越すと「転校」になってしまうので、その前に腰を据える新居を探すという家庭は多いものです。
一戸建ては食事用が中心
新居が一戸建ての場合は、広さがそこそこあるためダイニングテーブルは食事がメインになります。
子どものことを考えると、角のないテーブルが安心ですね。
脚も丸いので、とっても安心感があります。
ベンチ付きだと、友達が遊びに来ても子供なら3人くらい座れますよ。
濃いめの色にすると、高級感が出ます。
角が斜めにカットされていれば、安全さに加えオシャレさもありますね。
マンション・アパートはデザインより機能性
リビングダイニングが狭いことが多いマンションやアパートでは、伸縮テーブルが活躍。
使う時に引っ張るだけで広がるスライド式だと手軽に広くできておすすめです。
狭すぎてダイニングテーブルが置けそうもないときは、ソファダイニングにするという手も。
リビングとダイニングが同じ空間にまとまるので、お部屋を広く使うことができますよ。
一人暮らしは他の家具と総合的に考えて
一人暮らしでも、ずっとダイニングテーブルを使っていた人は、チェアで食事がしたいものですよね。
小さくておしゃれなタイプなら、お部屋の片隅に何とか置けるはず。
デスクもドレッサーも、もちろん食事も、全部をこなすテーブルにすれば、一人暮らしでもダイニングテーブルを置くことができますね。
明るい色にすると、圧迫感なく置くことができますよ。
まとめ
ダイニングテーブルの選び方で一番大切なのは「サイズ」。
幅・奥行きはもちろん、高さや形状まで決めておこう。
素材は色味とセットで考え、無垢材を選択するときは「お手入れの大変さ」「価格」という二つのハードルがあることを理解したうえで選ぶことがポイント。
チェアセットじゃない場合は、テーブルとの高さのバランスに気を付けよう。