と悩んではいないでしょうか。
畳の「へこみ」「カビ・ダニ」といったことや、「そもそもインテリア的に合うの…?」と疑問に感じてしまいますよね。
そこでここでは、和室にベッドを置いて快適な寝室にするポイントを紹介しようと思います。
- 畳のへこみを改善する方法
- カビやダニを増やさない方法
- 和室に似合うベッドの種類
- 和室全体のコーディネート
畳をしっかり保護する3つのポイント
和室にベッドを置くときは、とにもかくにも「畳の保護」がポイント。
畳はベッドを置く前提で作られていないので、次のような点に気を付けましょう。
- 畳のへこみ対策をする
- 畳のカビ・ダニ対策をする
- 畳保護のため配置に気を付ける
ただ、保護しようと思うあまり「覆いすぎる」と、逆に畳の良さがなくなり、カビなどによって劣化を早める可能性も。
へこまないように気をつけすぎて、カビだらけになっては本末転倒ですよね。
何のためのへこみ対策なのかが分からなくなってしまうので、基本的には「やりすぎ」はおすすめしません。
あなたに最適な「バランス」を考えて行うようにしましょう。
1.畳のへこみ対策をする
畳のへこみにを大きく左右するのは、ベッドの「脚」。
主に次の3つに分かれます。
- 細い4本、または6本の脚
- 前後で支えるパネル状の脚
- 全体で置くどっしりタイプ
1が最も畳と相性が悪く、3に行くに連れて相性が良くなります。
細い4本、または6本の脚
ベッドとあなたの重さを4本で支える場合、それぞれの脚には、シンプルに考えて4分の一の重さがかかります。
分散されるため、へこみに強いように思いますが、逆です。
脚が細くなるほど一点集中タイプなので、畳はへこみやすくなります。
細い脚のへこみ対策
絶対にへこませたくないなら、ウッドカーペットを和室全体に敷き詰めるのが理想。
ルームクリップより:
引用:リビング/ソファ/DIY/漆喰壁/セルフリノベーション/ウッドカーペット和室のインテリア実例写真投稿者:Yako
↑上がウッドカーペットを敷いた後、下が敷く前。
見た目ばかりに意識が行きますが、細い脚のソファを置きやすくなる利点が大きいですよね。
和室っぽさがなくなるので、徹底的にへこみ対策をする場合にのみ有効です。
次点は「ゴム片+ジョイントマット」。
↑ゴム片はこんなやつ。
厚みが1cmくらいで、ベッドの脚よりも広いタイプにする必要があります。
↑ジョイントマットは、よくあるこんな感じのもの。
厚みが1cmくらいで、脚よりも面積の多いゴム片を取り付け、さらにジョイントマットを脚の下に敷きます。
荷重を少しずつ分散し、へこみを回避できます。
たまにゴム片とジョイントマットを確認し、潰れているようなら新しいのと替えることで安心感が増しますね。
前後で支えるパネル状の脚
こちらは前後で支えるため、それぞれには2分の一の重さがかかりますが、4本脚よりは設置面積が広い分、荷重が分散されます。
頭のほうが荷重が大きいので、ヘッドボード側の畳がへこみやすいので要注意です。
4本脚よりは畳に置きやすい形状ですが、そのまま置いてしまえば、へこむのは回避できないでしょう。
パネル状の脚のへこみ対策
この場合も、絶対にへこませたくない場合はウッドカーペットが最適解。
多少ならOK、もしくは「なるべく畳を隠したくない」という場合は、厚手のジョイントマットで対応します。
2cm厚くらいのジョイントマットを脚の下に敷くことで、畳への影響をかなり抑えることが可能。
ジョイントマットは数十枚入っているタイプが多いので、潰れてきたら新しいものに交換しやすいメリットもありますよ。
全体で置くどっしりタイプ
全体的に重さを支えるので、最も和室に置きやすい形状です。
マットレスの下にある床板の形状によっては、フレームに荷重がほとんどかかっていないことも。
↑マットレスをはめて実際に寝ても、フレーム自体に人の体重はかかりませんよね。
別の種類のフレームですが、概ねこんな感じになっていて、これなら特にへこみ対策の必要もありません。
※カビ対策の必要はあります…
↑通気性を良くすると、へこみに関してはデメリットになる可能性も。
カビに強いメリットと合わせて考えることが大事ですね。
どっしりタイプのへこみ対策
マットレスだけの荷重(上の画像の上)なら、特に対策しなくてもへこみません。
ボワ~っと広範囲でへこむ可能性もあるかもしれませんが、そこまでする必要性はないはず。
すのこになっている場合(上の画像の下)は、ジョイントマットを敷くことで、ほぼ対応できるはず。
構造的にどこに荷重がかかるのかを調べ、狭い範囲なら細い脚と同じ対策を、広い範囲ならジョイントマットだけで十分です。
そのほかの注意点
畳のへこみやキズは、ちょっとした工夫で防げることがあります。
収納ベッドは要注意
収納ベッドは、荷重がどこに一番かかるかが分かりにくいので、全体的にジョイントマットを敷くなどの対応がおすすめです。
引き出し収納で、引き出し部がキャスター式になっているものは、できれば引き出すスペースにも敷きたいところ。
畳の保護はもちろん、段差をなくすことで出し入れもしやすくなりますよ。
畳のへりは硬い
裏技として「畳のヘリ」に脚を乗せる方法があります。
一般的な畳は「ふち」「へり」がありますよね。
実は短い辺にはなく、長いほうにだけあります。
全ての脚をヘリに置けるかどうかは運次第ですが、ほぼ無理です。
ふつうベッドで寝た時には「枕側」のほうが重くなるため、頭側の脚だけをヘリに載せるレイアウトができるなら、へこみ対策に使えますよね。
数センチずらすだけでヘリに乗せることができるなら、それもアリではないでしょうか。
賃貸は退去時に畳を取り換える?
賃貸の場合、自分たちが退去した後に畳を変える決まりがあるなら気にせず置けるので、ぜひ知りたいところですよね。
ただ残念ながら、そのようなルールはなく、場合によっては敷金をとられる可能性もあるので要注意です。
契約書にそのような記述があれば、もちろん大丈夫。
壁紙なども含め、住むことで自然発生する劣化として捉えてくれていれば、安心して畳に置くことができますよね。
この辺はケースバイケースなので、管理会社や大家さんに聞いてみるのが一番ですね。
ちなみに、念のため入居時の畳の写真をとっておくと、退去時に有利に話し合いができるのでおすすめですよ。
2.畳のカビ・ダニ対策をする
寝床は湿気が多いので、カビやダニが気になりますよね。
ベッドを置くと湿気が増え、空気の流れも停滞しがち。
カビやダニが発生しやすくなるので要注意です。
実は、畳をへこまないようにするほど、カビやダニが増えやすくなってしまうものです。
なるべく「何もしない状態」がカビやダニには効果的でも、それだとベッドを置くとへこんでしまいますよね。
この辺りのバランスを考え
- 徹底的にへこまないようにする
- へこみ対策をやや重視する
- カビ・ダニ対策をやや重視する
- 徹底的にカビ・ダニ対策を重視する
このように4種類くらいに分けて考えると、やるべきことが見えてきます。
徹底的にへこまないようにする
とにかくへこませたくない場合は、ウッドカーペットを敷くことです。
が、この項の冒頭でも書いた通り、カビだらけになってしまっては「へこみ対策」の意味がなくなってしまうので、特に湿気の多い部屋ではあまり向いていない方法です。
へこみ対策をやや重視する
カーペットやじゅうたんなら空気を通すので、ウッドカーペットほどカビの心配はありません。
へこみ対策としては弱くなってしまいますが、カビには少しやさしくなります。
ただ、織物はダニの心配が増える点に要注意です。
カビ・ダニ対策をやや重視する
畳が少しでも見えているほど、カビやダニ対策になります。
ベッドは脚付きのすのこタイプにし、通気性と掃除のしやすさを確保しましょう。
細い脚になるため、へこみやすくなってしまいますが、脚の部分だけしっかり対処して最小限に食い止めるよう意識することが大事ですね。
徹底的にカビ・ダニ対策を重視する
「へこみは仕方ない!」と考えるなら、何もしないのも実は一つの方法です。
- あえて何もしない
- 何も考えていない
両者には大きく差がありますよね。
カビやダニを増やさないコツは、清潔さと乾燥。
しっかりホコリを掃除し、ジメジメさせないようにするだけで、カビもダニもかなり防ぐことができます。
それがとても難しいことなんですけどね…。
3.畳保護のため配置に気を付ける
フローリングの場合は、ちょっと押せばすぐ移動できます。
でも畳の場合は、押してずらすと畳がすぐにボロボロになってしまいます。
配置は最初の段階でなるべく決めてしまい、無駄に動かさないように気を付けましょう。
畳の「目の方向」に合わせればまだマシなものの、基本的には動かせないと考えたほうが畳に優しいですね。
特に
- 掃除機を掛ける時
- シーツを取り替える時
などは、動かしたくなりますよね。
そういう状況を予め想定し、壁から少し離しておくのがポイントです。
模様替えの時は、仕方ないです。
動かすことが目的ですから。
へこみ防止も兼ねてジョイントマットを敷いておくと、滑らせて移動しても畳への影響は小さく、ここでも活躍してくれますよ。
和テイストを活かしておしゃれに置く5つのポイント
次は和室に似合うベッドの種類。
和の雰囲気を活かした場合を考えていきます。
- フレームは木製が似合う
- ローベッドだと敷布団っぽくなる
- 和室の木の色味を揃える
- ヘッドボードのないタイプ
- 畳ベッドは違和感がない
1.フレームは木製が似合う
フレームは「木」が似合います。
和室にパイプやアイアンベッドは似合いません。
仮にあなたがアイアンベッドが大好きでも、不釣り合いなインテリアに置くよりは似合うベッドのほうが満足感は高いと思います。
木製ベッドは種類も豊富なので、きっと好きなテイストも見つかるはずですよ。
2.ローベッドだと敷布団っぽくなる
低いベッドは敷布団っぽくなり、和室に合わせやすいと言えます。
選ぶ際は、脚のない床にベッタリ置くタイプをチョイスしよう。
とは言え、高さのあるベッドが似合わないというわけではありません。
↑高さのあるチェストベッドですが、天井の木の色・テーブル・ベッドと明るいナチュラルで揃えているので、おしゃれに置けていますよね。
↑脚付きマットレスは、似合う似合わないではなく「馴染んでいる」というニュアンスに。
和室には低いベッドが似合うと個人的にはずっと思っていたのですが、いろいろなサイトでいろいろな和室を見ていると、意外と高さがあっても違和感なく置けることを知りました。
3.和室の木の色味を揃える
基本は「いかに周囲と調和させることができるか」を考えよう。
和室では、ベッドを目立たせてはいけません。
最もメインとなる木の色に、ベッドフレームの色を合わせます。
そうすることで目立ってしまうことを防ぎ、少しでも違和感を感じさせなくすることができます。
↑ 例えばこの和室なら、明るめの木の色で揃えるとよく調和しそうですよね。
↑ この和室なら濃いめのダークブラウンのほうが合いそうですね。
隠れ家的な古民家のテイストになります。
↑ このように色が違う時は、置く位置に合わせるのがポイント。
個人的には窓枠のような明るめの色が似合うと思います。
4.ヘッドボードのないタイプ
「床に布団寝」の時は、ヘッドボードがありませんよね。
なので「ヘッドのないタイプ」を選択することで、違和感なく和室になじませることができます。
「床に布団寝」というスタイルをそのまま持ち上げた感じですね。
5.畳ベッドは違和感がない
畳ベッドにすれば、違和感なく置くことができます。
どのみち「ベッドに敷き布団を敷いて寝る」というスタイルのため
- 床はホコリっぽいからイヤ
- 床は寒いからイヤ
という人に向いています。
畳ベッドに付いてはこちらを参考にしてください。
和室を寝室にする6つのコーディネート例
最後は、実際に畳の部屋を寝室にしている様子を、画像投稿サイト「ルームクリップ」より紹介します。
ルームクリップは今までもいくつか紹介してきましたね。
おしゃれな写真がいっぱいあって個人的に好きなのですが、おしゃれすぎると真似できないので、参考にできそうなタイプを紹介します。
特に、一戸建て・分譲マンションによく見かける「機能性畳」を使用した和室は、それ自体がおしゃれすぎて普通の畳の部屋では真似できません。
↑子供部屋にしようが、どんな家具を置こうが、大概おしゃれにまとまります。
それより
という状況に参考になりそうな写真を集めてみました。
↑こんな感じの部屋ですね。
1.窓にはウッドブラインド
カーテンではなくウッドブラインドを付けるだけで、和モダンでおしゃれな雰囲気に。
インテリアグリーンとの相性もバッチリですね。
2.丸い照明でモダンさをアピール
円形の照明は、モダンっぽい印象に。
和紙のような素材だと、より和室に合いますね。
3.壁・天井の色を変える
引用:和室/襖のインテリア実例
↑ 和室は、薄緑っぽくてざらざらした壁の場合も多いはず。
天井は木目のプリントがされていて、押し入れは薄いベージュが定番ですよね。
壁を思い切り「白」にしてみたり、天井を色つきの和紙のようなデザインにすることで、明るくて今風な和室になります。
さりげないけど存在感のある、押し入れの模様が可愛いですね。
↑ 一面だけ色を思い切って変えると、一気に雰囲気が変わりますね。
↑ 木目にすると、家具との馴染みも良くなります。
4.コンセントカバーは簡単に変えられる
壁紙を変えたりしたときに、コンセントが悪目立ちする場合があります。
実はコンセントカバーは簡単に変えることができ、種類も案外いろいろありますよ。
5.障子はウォールステッカーで飾る
純和風な障子も、おしゃれにウォールステッカーで飾ると、雰囲気もガラッと良くなります。
壁紙と合わせてやや難易度は高いですが、ここまで変わるならやる価値はありますよね。
重々しい和室が、軽やかでさわやかなイメージに変わります。
6.あえて古い柱に合わせると古民家風に
古い柱があるときは、あえてそっちに家具を合わせることで、ノスタルジックで懐かしい雰囲気になります。
無理やり今風にするよりも、お部屋の統一感はよくなりますよね。
和室に合うベッド おすすめ5選
最後に、和室に合うベッドを5つ紹介します。
1.敷布団のような低さが魅力の低床ベッド
まるで畳の上に敷き布団を敷いているような、そんな雰囲気の低いベッド。
和室の雰囲気にも合っていて、シンプルで使いやすいタイプです。
すのこ床板で通気性も確保されていますよ。
2.ヘッドレスで違和感なく置ける大容量収納ベッド
収納スペースを増やしたい人に特におすすめなのが、これ。
ヘッドボードがないので和室に合わせやすく、圧倒的な大容量収納を実現できます。
国産ながら価格も抑えめで、収納の少ない一人暮らしにもピッタリですよ。
3.脚が多めでへこみに強い脚付きマットレス
脚付きのベッドは、へこみに要注意。
少しでも本数が多いほうが、分散されてへこみにくくなるのは前述の通りです。
この脚付きマットレスは、マットレスと台が分かれているタイプ。
台は分割式なので脚が多く荷重を分散。
マットレスは分割されていないので、寝心地を損なうこともありません。
さらに脚の長さを短くできるので、低くて和室に合わせやすいフォルムになります。
ボックスシーツでスッポリ覆ってしまえば、普通の脚付きマットレスと何ら変わらなく使えますよ。
4.スムーズに馴染む収納付き畳ベッド
床はホコリが多く、冬はとても寒くなりますよね。
そういう時は、和室に畳ベッドを置くのも一つの手。
敷布団で寝るのは変わらないものの、高さがあることでホコリや寒さを解消できます。
収納付きにすれば、大容量の収納スペースを確保することもできますよ。
5.布団寝とほぼ変わらない雰囲気の直置きすのこ
もっともシンプルなのが、このような直置きすのこにマットレスを乗せて寝るスタイル。
かなり「床に布団寝」をする状態に近く、とても馴染んでくれます。
もちろん、敷布団を使うこともできますよ。
まとめ
和室にベッドを置くときは、洋室とはまた違った視点で考えることがポイント。
特に
- 畳の保護
- インテリア性
という2つの側面から考えると、より快適な寝室になりますよ。
そもそも床に布団寝をしたほうがいいかな…と考えている人は、こちらも参考にしてください。