という疑問はないでしょうか。
一人暮らしではお部屋が狭いことがほとんどなので、家具の選び方一つで使いやすさが大きく変わります。
ぼくはインテリアコーディネーターとして、よく「配置」に関する相談を受けるのですが、そのほとんどは
という理由です。
広いなら悩むこともないので当たり前なのですが、実はもう一つ落とし穴があります。
それは
という点です。
多少は広く使えるレイアウトを提案できるかもしれませんが、やはり物理的な大きさなんかはどうしたって変えられませんよね。
そこで大きなポイントになるのが
です。
このページでは、狭いお部屋を少しでも広く使える家具の選び方と、具体的なおすすめを紹介していきます。
前半は全体的なポイントについて、後半では実家暮らしや一人暮らしの狭いお部屋に必要な家具を、具体的なおすすめとともに紹介していきます。
一人暮らしで選んではいけない家具 5つのポイント
まずは次の5つを避けるよう意識しよう。
- ムダに大きい家具
- デッドスペースができやすいサイズ
- 専用の家具
- 狭く感じる色
- 代替えで我慢できるもの
1.ムダに大きい家具
「あなたにとっての、その家具の最適な大きさ」というのを見極めるのは、非常に難しいですよね。
なので多くの人は、少しだけ余裕をもちます。
- シングルで十分なのに、なんとなくセミダブルのベッドにした
- そこまで量はないのに、片付けるスペースがないと困るから大きな収納棚にした
- お友達がけっこう来るから、無理やり3人掛けソファを置いた
このような事はかなり多いと思います。
ぼくもやっぱりこのように考えてしまいます。
でもお部屋が狭く予算も少ない一人暮らしでは、少しでも「ゆとりとムダ」を混同せず、精度高く見極めていくように頑張りましょう。
サイズが小さいと
予算を抑えられる
という二つの大きなメリットがあります。
2.デッドスペースができやすいサイズ
お部屋の配置は、パズルみたいですよね。
例えば次の図のような状況で赤丸の辺りに収納棚を置く場合を想像してみましょう。
1と2を比べると、奥行きは同じで、幅と高さの関係で収納力はおよそ同じくらいです。
このようなシーンでは、1を選ぶとデッドスペースが生まれやすくなります ↓
「高さのある家具は圧迫感があるから…」という思いが強いと、2の家具を無条件で避けてしまい、結果的にはデッドスペースが生まれてしまいます。
↑ こういう時は、あえて高さで収納力を補うことでデッドスペースをなくすのが正解。
一人暮らしでは必ずどこかで妥協しなければいけなく、圧迫感とデッドスペースを天秤にかけるなら、デッドスペースはできるだけ避けたいところですね。
3.専用の家具
一人暮らしだとしても、実は生活に必要な物の「種類」はそこまで極端に少なくなることはありません。
でも、それぞれの「量」は一人分になるので減ります。
つまり「いろんなものが少量ずつ必要」になるイメージですね
ですので家具選びにおいても、専用の家具ではなく「兼用できる家具」という意識が大事になります。
- ×本専用の棚 ⇒ ○食器も本も入る棚
- ×寝るだけのベッド ⇒ ○収納もできるベッド
- ×PC作業用の机とイス ⇒ ○食事もPCも書き物もできる机とイス
このようなイメージですね。
そうすることによって、家具の数を減らすことができるので、お部屋を少しでも広く使うことができます。
4.狭く感じる色
色は好みを選ぶか視覚的に広く見える色を選ぶか、けっこう悩みどころですよね。
お部屋を広く感じることのできる色は、基本的には白を中心とした薄い色なので、そういった色味が好きな人は、特に迷うことなく薄い色でお部屋をコーディネートしていくのがおすすめです。
問題は濃い色が好きな人ですね。
解決方法としては二つあり、
- 濃い色にしても圧迫感が少ない家具に濃い色を取り入れる
- 主役を決めて、主役の周りだけを濃い色味にする
ということです。
色が濃いと圧迫感が出る家具
代表的なのは
- カーテン
- ラグ
- 高さのある家具
です。
カーテンは目線の高さにあり、なおかつ面積も広いので、濃い色は想像以上に圧迫感が出てしまいます。
ラグも面積が広く、視界にも入りやすいですよね。
また、高さのある家具はたたでさえ圧迫感があるので、濃い色だとそれを強めてしまいます。
これらの色は圧迫感の少ない色にし、それ以外の家具で濃い色を取り入れることで、好みと視覚効果を上手く両立させることができます。
主役を好みの色にする
- ソファでテレビを見るのが好きな人なら、テレビ周り
- ソファでゴロゴロ本を読んだりするのが好きな人なら、ソファ周り
- お部屋はほとんど寝るために帰ってくるという人なら、ベッド周り
あなたのお部屋の主役を決め、その周辺を好みの色にすると気持ち的に満足感がありますよね。
それ以外は、主役を引き立てる脇役ということで、圧迫感のない薄い色にするという発想です。
こちらも好みと視覚効果を賢く両立できます。
5.代替えで我慢できるもの
兼用という発想に近いですが、代わりが利くものは、まずは取り入れない方向で考えていこう。
座椅子が欲しくても、ベッドを背もたれにできるなら、とりあえずは座布団やクッションで我慢できますよね
逆に、それを先に見越して、配置や家具選びができれば理想的です。
あと、例えばよく友達が泊まりに来る人なんかは、お泊り用の布団セット一式を用意するくらいなら、小さめのソファベッドを置いてしまえばソファも置けて一石二鳥かもしれません。
小さい頃からイスに座っての食事に慣れ親しんでいる人なら、一人用のソファダイニングにすることで「食事」「デスク」「リラックス」という3つを一つの空間でできますよね。
兼用できる家具を取り入れ、替えが利く家具は取り入れない。
このような意識で家具選びをすると、少しでもお部屋を広く使うことができます。
一人暮らしにおすすめの家具 10種類
上記のようなポイントを踏まえた一人暮らしにおすすめの家具を、具体的に
- ベッド
- ソファ
- ローテーブル
- デスク
- ダイニングテーブル
- ドレッサー
- ラグ
- 収納棚
- カーテン
- テレビボード
という10種類に分けて紹介します。
ちなみに一人暮らしでは予算も少ないことがほとんどなので、価格が高めで長く愛用できるタイプではなく、価格抑えめなタイプを中心に選んでいます。
ベッド
スペース的にはロフトベッドや収納ベッドも選択肢になりますが、価格が高くなりやすく、特にロフトベッドは特殊な形状のため、ここでは価格抑えめで省スペースに置きやすい
- ヘッドレスすのこベッド
- 脚付きマットレス
を紹介します。
ヘッドレスすのこベッド
とっても小さく梱包されているので搬入や搬出がしやすく、ヘッドがないので省スペースに置ける点がメリット。
脚の長さを変えることができるため、ベッド下を収納に使ったり、落ちても安心な低さにしたり、好みに合わせることができます。
価格の安さもあり、一人暮らしに使いやすいベッドですよ!
女性向けのショート丈脚付きマットレス
長さが一般的なタイプよりも15cm短い、全長180cmの脚付きマットレス。
単純に省スペースというのもありますが、実はショート丈ながらセミダブルが選べる点も魅力です。
身長が165cm未満のくらいの人だと、丈が短くてもデメリットになりにくくおすすめですよ!
ソファ
一人暮らしでのソファ選びは、置かないという選択肢を覗けば
- 小さいサイズ感
- ソファベッド
という二つがメインになりそうですね。
小さいソファ
幅が100cmの小さなソファ。
肘掛けがないのでムダに大きくなく、100cmすべてを座面にでき見た目以上に広く使えます。
脚付きタイプは床の見える面積が多くなり、お部屋を広く感じることができますよ!
小さなソファベッド
ソファ時は幅90cmとコンパクトに置くことができ、ベッド時は一般的なシングルくらいのサイズ感。
一人用ソファと来客用ベッドを、一つの空間に置くことができます。
普段はソファ、お泊りの来客時にはベッドという使い方がいいですね!
ローテーブル
ローテーブルはお部屋の真ん中に置くことが多いので、あまり大きいものは避けたいところ。
次項のデスクの有無でけっこう左右されますが、ここでは小さめで付加機能のあるタイプを紹介します。
小さい一人用のこたつ
幅75cm×奥行60cmという「少し小さめ」のサイズ感が使いやすい、こたつ。
小さすぎず大きすぎず、それでいて冬は暖をとることもできるので、とっても重宝します。
天板がツルツルしたタイプなので書き物もしやすく、机としても使いやすいですよ!
省スペース重視の小さな折りたたみテーブル
60cm×45cmという小さなサイズ感と、わきを歩きやすい八角形デザインが特徴の小さなテーブル。
折りたたんで収納でき、出しっぱなしでもコンパクトですよね。
デスクが他にある人や、モバイルPCがメインの人に使いやすいタイプですよ!
デスク
専用の家具は推奨できませんが、なかなか兼用できないのが「デスクトップPC」を使うシーン。
できれば小さめで、できれば圧迫感のないシンプルなデスクがおすすめです。
食事との兼用は、家具の視点では可能ですが、パソコンの近くでの食事は危険なのでその点は要注意です。
コンパクトなPCデスク
コンセント付きのコンパクトなPCデスク。
上向きのコンセントがあるため食事との兼用には向いていませんが、書き物やドレッサーとしての兼用が可能ですね。
電源タップを置く棚があったり、チェアに座ってのデスクワークがメインのお部屋に最適ですよ!
圧迫感のないシンプルデスク
アイアン素材のシンプルなデスクで、脚などの部材が少なくオープンになっているため、大きさ以上に大きさを感じさせない点がポイント。
丈夫なアイアン素材だからこその魅力ですよね。
シンプルゆえに、なんでもこなせそうな万能なタイプですよ!
↑ ちなみにチェアは、このようなタイプだと圧迫感がありません。
長時間の作業は専用のイスに軍配が上がりますが、オシャレさと圧迫感のなさなら、このようなイスのほうが断然上ですよ!
ダイニングテーブル
小さなころからイスで食事をしていた人は、一人暮らしでもできればイスで食事をしたいところですよね。
一人暮らしでは「デスクを兼ねる」ようにするか、「ソファダイニング」でリラックスもできるタイプにするかという2択が基本になります。
ドレッサーやデスク兼用の小さめダイニング
食事やノートPC、女性の場合はメイクにも使いやすい、小さな一人用のダイニングテーブル。
隙間があるので書き物にはちょっと不向きですが、68cm四方というコンパクトさとオシャレなデザインが魅力です。
デスクとはまた違ったオシャレさがあり、また、デスクよりも奥行があるので、その辺りで選んでいくのがいいのかなと思います。
↑ ちなみにブラックも。
デスクっぽい色味とダイニングっぽいデザインが、いい感じで融合していますね。
少し高いが省スペースなソファダイニング
ファミレスの一角が自宅にあるような感覚の、ソファダイニング。
食事・PC・勉強や書き物・リラックスタイムなど、全てを担うことができる点が魅力です。
他に置く家具が減るので、意外と省スペースですよ!
ドレッサー
男性は不要ですが、女性にとってはけっこう大事な家具ですよね。
一人暮らしのお部屋ではあまり大きなものは置けないので、工夫で対応したいところです。
40cmに置ける隙間ドレッサー
わずか40cmの隙間に置けるのが最大の魅力で、扉を閉めると姿見も兼用することが可能。
ドレッサーと姿見を40cm幅に置けるというのは、かなり省スペースですよね。
やや価格が高くなってしまいますが、メイク用品のゴチャゴチャも簡単に隠すことができ、価値は十分にあると思いますよ!
持ち運べるメイクボックス
ドレッサーを置くスペースがないなら、メイクボックスがおすすめ。
まとめておける収納力があり、ミラーも付いていて、持ち運びも簡単です。
わずかなスペースに置いておくことができ、省スペース性はピカイチですね!
ラグ
ラグは直接スペースとは関係ありませんが、視覚的な部分で差が出ます。
面積が広い分、色の影響も大きいので、できれば明るい色にしたいところですが、明るい色ほど汚れも目立ちやすいので、その辺は好みでしょうか。
また、ソファ生活中心なら薄手、床生活中心なら厚手という使い分けもおすすめですよ。
厚手で掃除がしやすいラグ
床生活が中心なら、座り心地の良い厚手タイプがおすすめ。
このラグは厚さが18mmもあるので床付き感がなく、階下への防音にも活躍します。
掃除がしやすく、触り心地もふんわり気持ちいいフランネル素材のラグですよ!
アクセントにもなるキルトラグ
ソファ中心の生活なら、薄手でスッキリとした印象に。
無地ながらチェックのデザインが入っているため、さりげなくアクセントになります。
自宅で手軽に洗濯できるので、明るい色味で広々した印象にするのもおすすめですよ!
収納棚
一人暮らしでは、いろんな物を収納できる棚があると便利。
中を隠せるタイプだと、本と食器がいっしょになっても大丈夫ですよね。
また、ドンと大きめの収納棚を置くのもいいですが、カラーボックスのような小さいタイプを複数置くのも、デッドスペースができにくくておすすめです。
扉付きのおしゃれなカラーボックス
中身を隠せる扉付きのカラボ。
ツートンカラーでデザイン性もとってもおしゃれですよね。
オープンタイプや二段タイプなど種類も豊富で、ちょっとしたスペースに収納を増やしつつ統一感も出すことができますよ!
引き戸が使いやすい薄型収納棚
こちらは扉ではなく「引き戸」タイプ。
奥行は16cmから3種類あり、ちょっとした空間を収納スペースに変えることができます。
中身も隠せるため、リビング・ダイニング・キッチンどこに置いても違和感ありませんよ!
カーテン
カーテンもラグと同じく、視覚的に広く感じる選択がおすすめ。
女性の場合は、可愛らしいパステルカラーを選びたくなるかもしれませんが、特に1階のお部屋の場合は「女性の一人暮らし」がバレるような色は、防犯の意味で避けるほうが無難です。
そういう意味ではブラウンやグリーンなど、男女に好みの差が少ない色味もありです。
広く感じる色と天秤にかけて、好みのタイプを選ぼう。
広く感じる色の代表はアイボリー
↑ 壁紙がホワイト系の場合は、やっぱりアイボリーが一番広く感じます。
↑ 寒色の代表であるブルー系も本来は「後退色」と言って広さを感じやすい色ですが、薄い色だと可愛らしい雰囲気が強く、濃い色だと面積が広い分あまり広がり感がありません。
カーテンとしては案外むずかしい色で、なんだかんだ考えるとアイボリーやベージュ系がやっぱり最もおすすめです。
グリーンやブラウンは男女ともに使いやすい
↑ グリーンは男女の好みの差がなく、圧迫感も割と少なく、総合的に使いやすい色。
↑ ブラウンはインテリアに多い色なので、濃い色の中では使いやすいかなと思います。
圧迫感がややありますが、慣れ親しんだ色なので扱いやすく、合わせやすい色でもありますよ!
テレビボード
小さめのテレビと大きめのテレビに合わせやすいタイプを、一つずつ紹介します。
一人暮らしのお部屋では「狭いスペース」が大きなポイントなので、上手く置きやすいタイプがいいですね。
小さいテレビ向けの簡易テレビボード
お部屋の「角」にしか置けないのが特徴で、コンセント周りのゴチャゴチャを隠しつつ、小さめのテレビを置くことができます。
実は、画像の左側内部は空洞になっていて、電源タップやルーターなどを隠しつつホコリから守ってくれるというものですね。
小さなテレビ用ということで価格も抑えめ。
レイアウト的に「角」に置ける人は、熟考の価値ありますよ!
65型まで置ける可動式テレビボード
耐荷重が60kgと高く、スペースに合わせて幅を調整できる点も一人暮らしにピッタリ。
見た目もとってもオシャレですよね。
お部屋の角に「L字」に置けたり、価格も抑えめで狭い部屋に使いやすいタイプですよ!
まとめ
一人暮らしでは
- 兼用できる家具
- 圧迫感の少ない色・デザイン
という視点を意識して家具を選んでいこう。
一つ一つではほんの些細な差ですが、それがお部屋全体になると、意外と差になって現れます。
楽しみながら選んでいければ理想ですが、もし悩んでなかなか決められない時はLINEやDMで相談にのりますよ!