腰痛にやさしいマットレス・ベッドの選び方&おすすめ【寝起きに差が出ます】

腰痛にやさしいマットレス・ベッドの選び方&おすすめ【寝起きに差が出ます】 インテリア情報・豆知識
IC 広島
IC広島

インテリアコーディネーター監修!チャンネル登録者4万人超え!YouTubeも見てね!

お部屋づくりのお手伝いします!

朝起きたら腰が痛い…

と悩んではいないでしょうか。
休むために寝ているのに、腰痛が楽になるどころか悪化しているという場合は、もしかしたらベッドやマットレスが不向きなのかも。

睡眠中に腰が休まらないと、当然、日中に休まるわけもなく、いつまで経っても腰痛が楽にならない悪循環になってしまいます。
寝ることで腰が休まって、日中に元気いっぱい活動したいものですよね。

そこでここでは、腰にやさしいベッド・マットレスの選び方を紹介しようと思います。

ぼくは医療関係者じゃないので、腰が楽になる「処置」はできませんが、インテリアコーディネーターという視点から、少しでも腰に負担をかけない家具の選び方を紹介します。

寝ることで腰痛が悪化する2つの理由

寝ることで腰痛が悪化する2つの理由

寝るというのは休めるということなので、腰も楽になってほしいものですよね。
それでも腰痛が改善されない場合は、寝具が合っていないか不向きの可能性が高いと言えます。

合う合わないは個人差が大きいものの、向き不向きはどんな人にも同じことが当てはまります。

では不向きな寝具を使うとなぜ腰が休まらないのでしょうか。
シンプルに考えると次の2つになります。

  1. 良くない寝姿勢により血流が悪くなっている
  2. 腰の筋肉が休まっていない

抽象的なので、少し具体的に考えてみます。

1.良くない寝姿勢により血流が悪くなっている

結論を先に言うと、柔らかいマットレスは腰への負担が大きくなります
理由は意外と簡単で、重い腰付近が沈んで猫背のようになり、寝姿勢が悪くなるからです。

仰向けの荷重のかかり方

人がベッドに横になると、このような配分で荷重がかかります。
背中から腰・お尻に掛けて、実に体重の77%も集中しているんですね。

特にお尻は背中より出っ張っている形状なので、柔らかい寝具だと沈んでしまいます。

お尻や腰が沈み込む

すると腰付近の血管が圧迫されてしまい、血流が悪くなってしまいます。
正常な機能を保つための栄養素も運ばれにくく、疲れもとれません。

疲れが取れないだけならまだしも、睡眠は長時間なので痛みまで出てしまいますよね。
このような理由で、硬くてクッション性のない「せんべい布団」にしたら腰痛が良くなったという声が聞かれるのです。

ただ、腰痛の難しい部分がこの先で、柔らかいマットレスから硬い布団にした直後は案外いい調子なのですが、少し時間がたつとまた調子が下降線になることが多いと言えます。

その理由が次の2つ目のポイントにあります。

2.腰の筋肉が休まっていない

「畳に布団を敷いて寝るようにしたら腰痛が改善された」という人は意外と多いのですが、今度は別の理由により腰痛の症状が出やすくなります。

それは体圧分散ができないというものです。
体圧分散とは簡単に言うと、横になった時の表面の荷重のかかり具合のこと。

硬い布団は筋肉が休まらない

腰とお尻には段差があるため硬い布団だと腰に大きな隙間ができてしまいます。
同時に、お尻に大きな荷重が集中してしまいますよね。

隙間がちょうどなくなるくらい沈むと、体の表面にかかる荷重が均一になるため、筋肉の緊張も減り、休めることができます

体の表面にかかる荷重が均一

筋肉の硬直は寝返りで解消でき、硬い布団は寝返りがしやすいため、柔らかすぎる寝床よりは腰にやさしいと言えます。
それでも硬すぎると、今度は別の原因で腰痛が出やすいというわけですね。

また、床に布団を敷いて寝ている場合は、布団の上げ下げも腰に悪影響になりそうですね。

腰痛にやさしいマットレス

寝ると腰が痛くなるメカニズムは、簡単に考えるとこのような感じです。
柔らかすぎても硬すぎてもダメということになりますね。

じゃあ中間の硬さにすればいいのかというと、実はそれもちょっと違います。
柔らかすぎ・硬すぎよりは断然おすすめですが、発想を少し変えてみると、より腰にやさしいマットレスが見えてきます。

そのポイントは、柔らかい・硬いを「マットレス全体」と「表面」に分けて考えることです。

表面は柔らかく、全体は硬めに

これが腰にやさしいマットレスの大きなポイント。

表面は筋肉を休めるため荷重を分散できる柔らかさを持ち、全体的には沈み込まない硬さがある

このようなマットレスだと、腰が痛くなる2つの原因を解消できますよね。

ポケットコイルの構造

荷重の多いお尻や肩が沈んでいるにもかかわらず背中は真っすぐで、しかも全体的に沈み込んでいないですよね。
このような寝姿勢になるようなマットレスが腰にやさしく、最もおすすめです。

ただ、硬めのマットレスは寝返りがしやすいメリットがあるので、硬くても腰に悪いとは単純に言えません。
寝返りは筋肉の硬直などを無意識になくすためのものなので、寝返りがしやすいというのは筋肉をしっかり休めることに繋がります。

硬めのポケットコイルがおすすめ、だが…

硬めのポケットコイルがおすすめ、だが…

「だが」の続きがなかなか難しい部分です。
簡単に言うと、体型や好みは千差万別なのに、それぞれに合うほどいろんなマットレスが提供されていないということですね。

特に大きく影響するのが体重で、コイルの硬さが同じなら体重が重い人のほうが沈むのは当たり前ですよね。
そして、どのくらい沈むと寝返りがしにくいと感じるのか、どのくらい沈むと柔らかいと感じるのか、まさにピンキリなのが想像できると思います。

「セオリー」に「好み」まで加味すると、それこそ本人が実際に横になって試してみても決められないほど難しいです、マットレス選びは。

そういう意味で、セオリーは「お尻が沈み込まないポケットコイル」というわけですね。
体圧分散・寝返りのしやすさ・寝姿勢の維持をバランスよく整えてくれるマットレスという感じです。

日本ベッドのシルキーポケットはハイレベル

個人的には日本ベッドのシルキーポケットというシリーズはおすすめです。

非常にポケットコイルの数が多く、しっかりした作りで、沈み込むこともなく体圧分散にも優れています。
コイル数はやや過剰に感じるものの、それにより沈み込まないしっかり感があるように感じ、腰痛持ちの人にも合っていると思います。

日本ベッド シルキーポケット

シルキーポケットのコイル

⇒引用:日本ベッド シルキーポケット

ただ、きっと体重の軽い女性なら硬いと感じるように思います。
個人差はありますけどね。
コイル数が多いので独立性がなくなり、しっかり感のほうが目立っているからです。

それにしても、一番の問題は価格ではないでしょうか。
シングルサイズで15万円もするため、簡単には手を出せません。
しかも自分に合うかどうかもハッキリ分からないものに、そこまで出すのは不安が大きくなってしまいます。

コスパでおすすめのマットレス

シルキーポケットは確実に「良い物」です。
でも案外コスパを重視したほうが、自分が満足できるマットレスに出会う可能性が高いと考えることもできますよね。
値段も含めた満足感です。

コスパでおすすめのマットレス

ぼくのおすすめはこのマットレス。
創業から70年以上続く、東京スプリングという老舗メーカーのマットレスです。

スプリングの製造から縫製・生地・ラベルにいたるまで、全て自社の国内工場で作っている、純国産品。

先に紹介したシルキーポケット同様、コイルを交互に配列することでしっかり感を出しています。

コイルを交互に配列

また、受注生産のため、倉庫に保管することによる劣化のリスクがなく、できたばかりの状態で届くのも大きな魅力です。

価格はシングルで4万円台
国産の品質の高さや硬めのポケットコイル、さらに価格を含めた満足感を考えると、腰痛が気になる人にとっては非常にコスパのいいマットレスですよ。

コスパでおすすめのマットレス

総合的には

体圧分散性を良くする筋肉を休めるため⇒ポケットコイル
沈み込まない寝返りをしやすくするため
良い寝姿勢を維持するため
⇒硬め
手を出しやすい価格リスクを減らすため⇒一流メーカーを避ける

と、こんな感じの選び方をしていくのがいいのではないでしょうか。

腰痛持ちさんにおすすめのベッドフレーム

腰痛持ちさんにおすすめのベッドフレーム

今度はベッドフレームです。
マットレスで8割くらい寝心地は決まりますが、腰痛に不向きなフレームにしてしまうと「グキッ」とやってしまう可能性を高めてしまいます

寝心地というよりは使い心地という視点ですね。

腰痛持ちさんが選んではいけないベッドフレーム

ベッドの種類はとても多いので、消去法で考えていくのがいいように思います。
というわけで、まずは「腰痛持ちさんが選んではいけないベッドフレーム」で進めていきます。

代表的なのは次の5種類

  1. ローベッド
  2. ロフトベッド
  3. 脚付きマットレス
  4. 折りたたみベッド
  5. 収納ベッド

1.ローベッド

ローベッド

低いベッドは開放的で気持ちいいのですが、腰痛がある人はベッドから立ち上がるときにグキッとやってしまう可能性があります。
寝起きで体が硬いときに、低い位置から立ち上がるというのは、思っている以上に負担をかけてしまいます。

2.ロフトベッド

ロフトベッド

空間を広く使えるロフトベッドは、寝心地をコントロールしにくい点が不向き。
厚みのあるマットレスが使えず、また、昇り降りも腰に負担をかけてしまいますね。

3.脚付きマットレス

脚付きマットレス

脚付きマットレスは、寝心地を大まかにしか選べないのでおすすめできません。
また、寝心地を改善しようとしたらベッドごと変えることになり、マットレスだけを変えれない点もマイナスです。

4.折りたたみベッド

折りたたみベッド

折りたたみベッドはそもそも寝心地がよくありません。
折りたためるというのが最大のメリットで、腰痛持ちさんにはメリットはありません

5.収納ベッド

収納ベッド

収納ベッド自体はまるで問題ないのですが、収納スペースを使う時に腰を痛めやすいです。
低い位置に収納があり、しかも狭い位置からの出し入れになる可能性も高く、その時にグキッといく可能性を秘めています。

腰痛持ちさんが選ぶべきベッドフレーム

ではどんなベッドを選べばいいのでしょうか。
おすすめはシンプルな脚付きのフレーム
マットレス込みの高さが40cmくらいになるようにし、ヘッドボードがあれば支えにして立ち上がることもできます。

また、あえてマットレスではなく「敷き布団」が使えるフレームを選択しています。

非常に硬い、俗にいう「せんべい布団」は、意外と腰痛を解消してくれるからです。
どうにも調子が悪いときに、敷き布団を試してみることもできますよ。

ちなみに、なるべく寒い場所には置かないほうがおすすめです。
寒いと血流も悪くなり腰も痛めやすいので。
特に横向きで寝るのが好きな人は、窓を背に寝ていれば腰が冷えて血行が悪くなるので要注意です。

省スペースに置きたいなら「Fit-in(フィット・イン)」

省スペースに置きたいなら「Fit-in(フィット・イン)」

シンプルなデザインで、ヘッドが薄く、省スペースにベッドを置くことが可能。
高さ調整できる点もポイントで、マットレスの厚みや身長によって、立ち上がりやすい高さに変えることができます

Fit-in(フィット・イン) 敷布団が使える

敷き布団を敷くと高さがグッと低くなるので、より高さ調整できるメリットが大きくなりますね。

Fit-in(フィット・イン)はこちら

棚が必要なら「超頑丈天然木すのこベッド」

棚が必要なら「超頑丈天然木すのこベッド」

棚があると小物を置くことができ、いちいち立ち上がって「何かを取りに行く」ことが少なくなります。
腰痛は立ち上がる瞬間が一番怖いので、ややスペースをとってしまいますが、棚があることのメリットは大きいですよね。

高さ調整が可能

敷き布団を使うことができ、すのこの高さを5cmずつ6段階に調整することもできます。
低くして厚みのある「こだわりのマットレス」を使ったり、身長によって変わる最適な「腰掛けやすい高さ」に合わせることもできますよね。

耐荷重が600kgと非常に丈夫なので、大柄な方やダブルベッドで夫婦で寝たい場合には、こちらの方が向いてますよ。

超頑丈天然木すのこベッドはこちら

畳の上が好きな人は「泰然(たいぜん)」

畳の上が好きな人は「泰然(たいぜん)」

理屈がどうこうより、本人が畳に敷き布団で気持ちいいと感じ、腰痛も出ないならそれが理想ですよね。

ただ、床はほこりが多く室温も低いので、それらを解消するために畳ベッドがおすすめ。
高さを出すことで「ほこり」と「寒さ」を解消し、なおかつ腰痛のある人は床から立ち上がるときに痛めやすいので、座りやすい高さのあるベッドの恩恵が大きくなります。

立ち上がりやすい高さ 泰然(たいぜん)

引き出しを付けることができるタイプですが、前述の通り「低い位置にある収納」は腰を痛めやすいので要注意。
引き出しなしを選ぶことも、もちろんできますよ。

泰然(たいぜん)はこちら

まとめ

腰痛という側面から寝具を選ぶ場合、理屈と好みの両方から考えるのがポイントです。

例えばマットレスで言うと、おすすめはポケットコイルですが、寝返りを考えるとボンネルコイルのほうが寝やすいという人も少なくないはず。

硬いせんべい布団でも、腰が痛くならないのであれば、それはそれで正解です。
寝返りや硬さなどが自分に合っているという証拠ですよね。

このページではセオリーを紹介してきました。
そこにあなたの好みを加味し「自分にピッタリ」をぜひ見つけてください。

高価な物が腰痛にやさしいわけではなく、あなたに合う寝具こそが腰にやさしいということを意識してくださいね。

タイトルとURLをコピーしました